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寒い家が病気をつくる

こんにちは。リード・アーキテクトです。ここ数日季節外れの暑さが続いていましたが、こんな時に

寒い家の話をしようと思います(笑)

ただリフォームや新築を今から検討されるお客様は是非冬の時期をどう過ごすかを第一に考えていただきたいと思っています。

家づくりの参考になるコラムですので是非ご覧ください。

 

「寒い家が病気をつくる」

 

断熱性能の悪い家は、結露やカビ、ダニが発生しやすく、断熱性能が悪ければ当然、室内は夏暑く、冬寒いということになります。
実はこの寒さが健康に大きく関わっています。
皆さんは1年間に住宅内の事故で亡くなる方がどのくらいいらっしゃるか、ご存知でしょうか?
その数は実に15000人と言われています。中でも浴室内の溺死事故で亡くなる方は年々増加傾向にあり、 2012年では約6000人もの方がお亡くなりになったそうです。

 

浴室内で溺死する原因の一つが、ヒートショックという現象です。
ヒートショックは暖かいリビングから寒い脱衣所や浴室に移動し、すぐにまた熱い湯船に移動するという急激な温度変化が血圧の急上昇・急低下を招き、心筋梗塞・脳出血・脳梗塞などを起こすというものです。
また急激な温度変化という点ではトイレも同様です。

 

この点について、大変興味深いエピソードがありますので、ご紹介させていただきます。
今ではほとんど見かけがませんが、かつての日本では、トイレが屋外にあることが一般的でした。そのため、寒い冬に暖かい布団を出て屋外のトイレに向かい、そのままトイレの中で脳出血などを起こして亡くなるという事故が多数発生したそうです。
こうした事故が多発したことが、トイレが屋外から屋内に設置されることになった要因の一つだそうです。

 

またそうした改良前後の結果を長野県の佐久総合病院がデータ化したことで、WHO(世界保健機関)が認め、すべての人に健康を届けるために採択した「健康づくりのためのオタワ憲章」(1980年)で、健康づくりに欠かせない前提条件として、「平和」に次いで2番目に「住居」を取り上げることになったのです。

 

寒さと血圧の関係については 慶應義塾大学の伊香賀利治教授が大学の研究チームとともに高知県、山口県、山梨県などに住む200 世帯の方々の協力のもとで行った調査により、断熱性能の重要性を示しています。

 

各世帯で「室内室温が10℃下がると血圧がどう変化するか」を測定したところ、40歳未満の人はほとんど影響が見られなかった一方、 40代から上の世代では血圧が上昇し、70歳以上では 8mmHg 近くもの上昇が見られたという結果が得られています。健康を考えると室温の変化の少ない家づくりをすることが大切だということが分かります。
断熱工法から見直していけば、室内の寒さ・暑さを解決できます。「本当に良い家」こそがダニの発生や血圧の上昇を抑え、健康をもたらすのです。

 

このことをふまえて是非家づくりの際は断熱性能を第一に検討してみてください。

 

 

 

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